歌会始め

 お正月気分も消え、新コロナウィルスの話題などが騒がしい2月となりました。宮中恒例、新年の歌会初めが今年(令和2年)も皇居松の間で1月16日に、天皇皇后両陛下を始め、各皇族方、歌の選者、さらに約15000首の一般の応募から選ばれた10首の詠み手が参加、行われました。今年の10人の入選者のうち最高齢は74歳、最年少は17歳(いずれも女性)でした。宮中の歌会始めは鎌倉時代の中期に既に行われていたようです。明治7年(1874年)には一般からの詠進が認められ、国民も宮中の歌会に参加できるようになりました。さらに明治12年には一般応募の中で特に優れたものを選歌として、歌会始(当時は歌御会始)で披講されることとなりました。この宮中の歌会始めの歴史的な改革で、今日の国民参加の歌会始めの形がほぼ整ったと思われます。古くから歌御会始といわれていたものが、大正天皇崩御での中止を経て昭和3年(1928年)からは「歌会始」といわれることになりました。


 さて、歌会始の歴史を述べて来ましたが、実はいかりじろうも(恥ずかしながら、そして柄にもなく!)この数年歌会始めに応募しています。その結果は?勿論、当然のことながら、入選しませんでした。「参加することに意義ありのオリンピック精神」での歌会始応募です(笑い)。今年のお題は「望」でした。歌会始の応募締め切りは前年の9月末日、入選発表は12月半ばです。応募のために詠進歌を宮内庁に提出、そして入選発表の12月半ばまで「もし入選したら、着るものはどうしよう?誰を連れて行こう?止まるのはどのホテルにしよう?」などと、想像を逞しくして勝手に楽しんでいます。こうなるとオリンピック精神というよりは、妄想と言うべきかも知れません。

 実は昨年の秋、小学校時代からの親友の奥様が岐阜県某市の短歌の会で主席となり優勝されたことを最近知りました。歌会始を目指すには、オリンピック精神だけでなく、才能も必要(当たり前ですが!)なことを実感しています。しかし、今年のお題の如く「望」を持って改めて来年の歌会始めを目指したいと思います。尚、来年のお題は「実」です。我と思わん方は詠進してください。