ネズミの運動会 

 

 

  

 

近頃、その運動会の騒音を聞くこともなく、話題になることもないのが、ネズミの運動会です。ネズミの運動会は、恐らくご年配の方にはなじみがあって、懐かしさを覚えるかもしれません。昔は天井裏を会場(グラウンド?)にして、多くの家でネズミの運動会が開かれていました。それはなかなか賑やかなもので、運動会に付き物のファンファーレや行進曲などはありませんが、天井裏を自由自在に走り回る音が大きく鳴り響いたものです。ネズミは走ることが大好きな動物だそうです。しかし、日本家屋の構造も時代とともに変わり、天井裏へのネズミ達の進入路もなくなり、嘗てのネズミたちの運動場は無人(無ネズミ?)の真っ暗な空間となり電気工事でもなければ、外気が入り込むこともない場所となりました。 

 

ところが、ネズミの運動会が復活している天井裏が意外と多くあるらしいことを、ネットで知りました。 天井裏へ侵入する入口があるのが第一の原因です。次に、エサがあることなどのようです。先ほども述べたようにネズミ達は走ることが大好きらしいです。ネズミの仲間であるハムスターは回し車乗って際限もなく車を回して遊んでいます。人間なら、最初は面白くて楽しんでいても、やがて飽きてしまいます。天井裏のネズミの運動会はネズミの回し車の役割をしているのでしょうか。しかし、ネズミの集団がいると言うのは、そこでフンをしたり、オシッコをしたりするので、衛生上極めて問題があります。ネズミの駆除については専門の業者に依頼するのが確実なようです。さて、走る話に戻ると、ハムスターは一晩で9キロ、クマネズミは43キロも走るそうです。我が国に多くいるクマネズミは毎晩マラソンをやっているようなものです。なぜ、ネズミ達は走るのか? ある研究によれば、いろいろな仮説がある中で人間のランナーズ・ハイと同様に走ることそれ自体が目的となっている可能性が高いそうです。つまり場所さえあれば、ネズミの運動会は毎晩開かれることになります。

 

ネズミは仲間のハムスターなどに比べて人間社会で好まれているとは言えません。不潔、病原菌の媒介、幼児への危険など嫌われる原因はいろいろあります。しかし、ネズミは我々の社会と切っても切れない関係があるのかも知れません。先ず第一にネズミは大黒様のお使いです。大黒様は日本得意の神仏習合の結果生まれた神様のようですが、大きな袋を肩にかけた大黒様は、福の神の代表です。正月に恵方棚を作り餅を大黒様のお使いであるネズミに供える風習もあるそうです。有名な水木しげるの、ネズミ男も何か憎めない要素を持っているように思います。  

 

さて、回し車のことに戻るとハムスターだけでなく人間用の回し車もあるそうです。 中に人間が入り車を回してその回転で発電をするそうです。 本当(?)の自然エネルギーでの自家発電にこだわる方は、お試しになっては如何でしょうか? 

  

  

彼岸花消えたる茎のならびけり   兼子栄子 

  

あっという間に一斉に咲いて、気が付けば花は終わり茎だけ残る、素早いというか、潔いと言うか、毎年感心しています。