適当

 昨年、梅雨時でしたが、1週間ほど、入院しました 入院と言っても幸い(?)家からは病院が見え、病室からは自分の住まいが見えるという近いところで、同じ町内です。 それはともかく、入院して23日したころ、看護師さんから「適当と言う、お話しが多いですね」と言われました。 そこで考えてみると確かに「適当でいいですよ」とか「適当にやってください」あるいは「適当で結構ですよ」など、多少の言葉の違いはあっても「適当」を多用と言うよりは、乱用と言うべきかと思うほど、全て「適当」であることに気が付きました。 

 

「適当」は、本来、その文字が表す如く、目的や要求に応えることを意味しますが、「適当で結構です」など、適当ずくめと言うことは、相手任せで自分の判断を放棄した態度です。 先日もある女性から「適当でないと、やってられませんよ!」と言われましたが() この言葉は「日常の些細なことは、適当にやっていかないと、とても対応出来ない」と言う、主婦(母親)の本音かも知れません。 入院中で、自分の判断は、あまり必要なくて、相手が専門家の看護師さんだから、殆ど問題ありませんが、日常生活ではそうは行かない時があります。 「適当にやってください」と言ってから慌てて「適切にやってください」などと言い直すことは、多くの方が、経験済みかと思います。  

 

何故「適当」が本来の意味から外れてと言うより相反する「ほどほどに」「雑に」「いい加減に」などの意味に使われるようになったのでしょうか? ネットの広辞苑などによると、諸説ありますが軍隊用語から来ているのではないかと言う説が、説得力がありそうです。 戦時中の日本では、軍隊で武器を始め様々な装備品が準備してあり、厳重に管理されていました。 この装備品がしっかりと管理、整理されているか? 「装備品は適当か?」と上官が下官に尋ねることが度々あります。 その時に、下官が整備を忘れたことを隠すために「適当であります!」と返事をして、誤魔化していたところ、だんだんと「適当」が「いい加減」という意味を含むようになってきたという説だそうです。 大きな組織ではありそうなことです。 

 

日常生活で「適当に~」と言うのは多くの場合大した害もないでしょうが、武器をはじめとする軍の装備で「適当に・いい加減に」なっては、大変なことになりかねません。 これからは「適当」は注意深く「適切に」使うように心掛けたいと思います。 

 

編集後記 

クレヨンのカーネーション咲く母の日よ   秋山深雪 

本物のカーネーションに負けない素晴らしいカーネーションですね!!